This is the interview!
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--MALICE MIZERの活動休止を発表後、2002年3月、Manaさんのソロ・プロジェクトとして立ち上がったのがMoi dix Moisなんですよね。
Mana:はい。自分の想い描く音楽を追求すべく、作詞作曲アレンジ、全て僕が手がけているソロ・サウンド・プロジェクトとして作りました。
--Moi dix Moisがテーマとして掲げていることは?
Mana:サウンド的には激しいロックの要素と、美しいクラシックの要素を融合させたドラマティックなものを目指してます。
--ロックとクラシック?
Mana:ええ。子供の頃からクラシックが好きだったわけではないんですが、今思い返せば親が音楽の先生だったっていうこともあって、家の中に常にクラシックが流れていて。気付いたら体の中に根付いていたっていう。その一方でアグレッシヴなヘヴィー・メタルやスラッシュ・メタルに出逢ってロックに目覚めたんですね。そういった僕の音楽の原点である二つの要素を、一番理想とする形で融合させた音楽を目指すのが、このMoi dix Moisなんです。それで、僕の好きなチェンバロやパイプオルガン、ヴァイオリンの音が曲中でよく使われているんですね。
--なるほど。音楽だけでなくヴィジュアルも独特ですね。一つの世界観があるというか。
Mana:MALICE MIZERと比べると、アグレッシヴな要素と優雅さが同居するような中性的なものですね。というのもMALICE MIZERの頃はバンド自体が劇団のようなものだったので、その中でお人形さん的役割をしていたっていうか。その点、Moi dix Moisは本能でやってるって感じ。自分自身がそのまま出てると思います。
--歌詞にも、Manaさん自身がそのまま出ている感じですか?
Mana:うーん、1stアルバム『Dix infernal』は自分のストレートな想いを込めた作品で、2ndアルバム『NOCTURNAL OPERA』は1からストーリーを考えてコンセプチュアルに作った作品だし。まぁ作品によってコンセプトも作り方も違うんですけど、基本的には僕の気持ちがベースにはなってるかな。
--10月6日発売のシングル「Pageant」は?
Mana:“禁断のラヴロマンス”って感じですかね(微笑)。世間一般の恋愛の話ではなく、幻想世界でのラヴロマンスを描いてます。魅惑的な言葉で。
--曲中の鐘の音、♪真夜中すぎの~♪っていう歌詞から、夜中12時になったら魔法が解けてしまう『シンデレラ』のお話を思い出したんですよ。
Mana:あぁ…そんな世界かも(笑)。分かりやすく言ってしまえば、Moi dix Moisのステージを身に集まってくれるみんなとのことを描いてるんですね、禁断のラヴストーリーにみたてて。ライヴに来てくれたみんなと時間と空間を共有することは素晴らしいけれど、楽しい時間は夢のように過ぎ、ライヴの終わりと共に消えていく…。だからこそ、みんなと直接会える時間や、その空間を大切にしたいっていうことを言いたかったんですね。
--この曲はライヴではお馴染みの曲ですが、どうしてこのタイミングで音源化を?
Mana:軽やかで優しくてポップな「Pageant」は、激しいサウンドを中心とするMoi dix Moisの音楽の中でも異色のナンバーではあるんです。はじめ、ライヴで演奏するのもどうかな?って戸惑ったくらいに。でも、ライヴで演奏していくうちに、この曲が持つ会場を1つにできるパワーに気付いて、僕の中でも段々大事な曲になっていったんですね。ただ7月に出したアルバム『NOCTURNAL OPERA』の中に収録するのは、曲の個性的にも違うかな、と思って。この曲は僕にとって特別な意味があるからこそアルバムに入れず、シングルとして、しかもカップリングもいれずに単体で出す方がいいんじゃないか?と。それで今回リリースすることになったんです。
--そういう意図があったんですね。確かに過去の作品と比べると抜けた感はあるかも。
Mana:Moi dix Moisの一般的なイメージってダークで怖そうなって感じだと思うんですけど(笑)、この曲を聴くと、ガラッと印象が変わるんじゃないかな?と。これが一つの窓口となって、Moi dix Moisのダークな世界へと足を踏み入れてもらえれば……。今回の作品がロマンティックなものだったので、僕的にはもっとハードなものを作りたいなって欲求が今、強まっているんですよね。
--次作も楽しみです。その前に、今後の活動について教えてください。
Mana:毎年恒例の年忘れイベントを12月に行います。基本的には“年忘れ”って意識で臨むので、飲めや歌えや騒げや、な感じで(笑)いこうかと思ってますね。
--なんか去年はステージ上でハッチャケてたそうで。あんなことやこんなことまでしちゃうんですか?(笑)
Mana:唯一、あんなことやこんなことまで出来るイベントなので(笑)。何もかも忘れて騒ぎましょうっていうのがコンセプトですから(笑)。あ、それと。今年7月にパリのジャパン・エキスポに出て、それに合わせて1stアルバムと1stDVDのヨーロッパ版が出たんですけど、あっちの人達の反響もスゴくて。
--なんかフランスって本家本元って感じがするんですが、その人達から注目を浴びたなんてスゴい!
Mana:なんか、日本人が創り出してるヨーロッパ独特の美学みたいなものを感心してるって感じは受けましたね。で、その時にオールフランスロケで撮ってきた写真集が10月下旬に出るんです。それを見て、Moi dix Moisの音を聴いてもらえれば、僕の好きな“怪奇幻想ゴシック”の世界が、より理解してもらえるんじゃないかな?と思いますね。